乳がんにかかる女性の数は年々増加傾向にあり、日本では1年間に約53,000人が診断されています。
乳がんは早期発見し適切に治療すれば、生存率が高く予後のよい病気とされています。
乳がんを早期発見するために、定期的な乳がん検診を受けることが大切です。

本記事では、乳がん検診の推奨年齢や検診費用、検診内容について解説します。

乳がん検診が推奨される年齢は？

乳がん検診が推奨される年齢は、国によって異なります。
日本では40〜50歳代前半の方が乳がんにかかることが多いため、40歳から2年に1度の乳がん検診を推奨しています。

しかし、20〜30歳代の方でも乳がんにかかる方はいらっしゃいます。そのため、月に1度はご自身で胸にしこりがないかセルフチェックを行ってください。血縁者に乳がんを患った方がいらっしゃる場合や、セルフチェックで気になる点がある場合は、40歳未満でも早期に乳がん検診を受けることをおすすめします。

参考：東京都福祉保健局

仙台市｜乳がん検診にかかる費用は？

仙台市在住で40歳以上の方は、マンモグラフィ併用乳がん検診を２年に一度受けられます。
仙台市における乳がん検診の費用は以下の通りです。

また、当院は40〜69歳の仙台市乳がん検診登録医療機関です。仙台市国保加入者の方は無料、仙台市国保加入者以外の方は自己負担1,400円で乳がん検診を受けられます。また、仙台市の市民税非課税世帯の方も、自己負担金無料で受診が可能です。

乳がん検診の問診内容について

乳がん検診では、マンモグラフィ検査とともに問診を行います。
問診では親族の病歴について質問されるため、あらかじめご家族の方に聞いておくとよいでしょう。

乳がん検診の視触診について

マンモグラフィ検査は、乳がんの発見率の高い検査です。ただし、乳腺組織が発達し、密度が高い40代では、検診精度があまり期待できないケースもあります。マンモグラフィ検査では発見しにくいケースでは、マンモグラフィ検査と併せて医師による視触診を行います。

◇乳がん検診における視触診の項目
・　乳房のしこりの有無
・　乳房のくぼみ
・　皮膚の異常
・　乳頭からの分泌物

視触診では、医師が主に上記の項目について、観察と触診で異常がないかを確認します。

マンモグラフィについて

マンモグラフィ検査では、乳房をプラスチックの板で挟んで平坦にし、乳房専用のX線装置で撮影します。
X線を用いるため、妊娠中や授乳中または妊娠の可能性がある方は、受診できません。

乳がん検診の流れ

マンモグラフィ検査を受けて異常がない場合は、月に1回はセルフチェックしその後も定期的な乳がん検診を受けましょう。
マンモグラフィ検査で異常があった場合は、精密検査を受診します。精密検査の結果に異常がなかった場合は、良性の病変であり、その後も定期的な検診が必要です。

精密検査の結果に異常があった場合は、医療機関で早期に適切な治療を受けてください。

仙台市の乳がん検診に対する取り組み

乳がんの早期発見・早期治療の重要性を広く伝えることを目的として、仙台市では乳がん月間である10月にピンクリボン講演会を開催しています。アメリカ発祥のピンクリボン運動は、乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の大切さを伝える啓発活動です。

講習会では、乳腺の専門医による講演が受けられます。また、マンモグラフィ検査の疑似体験や乳がんに関するクイズなどが用意されています。

まとめ

乳がんから命を守るためには、早期発見・早期治療が重要です。
40歳を過ぎたら2年に1回は乳がん検診を受けることをおすすめします。

当院は仙台市の乳がん検診登録医療機関として、マンモグラフィ検診と視触診を実施しています。セルフチェックで気になる点を発見された方や、親族に乳がんを患った方がいらっしゃる方は、１人で悩まずに仙台市の長池産婦人科にご相談ください。